エリック・ゲイル/ネグリル
Eric Gale/Negril



キモッチいい〜。レゲエ・フュージョン! 幻のジャマイカ録音CDで復活。

Label:Roving Spirits CD:RKCJ-6014
発売日:2003.10.22
税込価格\2,415 税抜価格\2,300
発売会社:有限会社ローヴィング・スピリッツ 販売会社:
スリーディーシステム株式会社 株式会社プライエイド・レコーズ



【収録曲】
1. Lighthouse ライトハウス(Eric Gale) 5:51
2. East Side West Side イースト・サイド・ウエスト・サイド(Eric Gale) 3:54
3. Red Gound Funk レッド・グランド・ファンク(Eric Gale) 3:52
4. Negril ネグリル(Eric Gale) 5:01
5. Honey Coral Rock ハニー・コーラル・ロック(Eric Gale) 5:11
6. Rasta ラスタ(Eric Gale) 5:18
7. Negril Sea Sunset ネグリル・シー・サンセット(Eric Gale) 5:13
8. I Shot the Sheriff アイ・ショット・ザ・シェリフ(Bob Marley) 4:47

Total time 39:20

【録音】1972年キングストン、ジャマイカ

【参加ミュージシャン】
Eric Gale(Lead Guitar), Peter Tosh(Rhythm Guitar), Richard Tee(Piano), Keith Sterling(Piano), Leslie Butler(Organ & Synthesizer),
Cedric Brooks(Saxophone, Percussion), Val Douglas(Bass Guitar), "Family Man" Barrett(Bass Guitar), Paul Douglas(Drums), Sparrow Martin(Drums),
Joe Higgs(Percussion), Isiah "Sticky" Thompson(Percussion)

エリック・ゲイル(Lead Guitar), ピーター・トッシュ(Rhythm Guitar), リチャード・ティー(Piano), キース・スターリング(Piano), レスリー・バトラー(Organ & Synthesizer),
セドリック・ブルックス(Saxophone, Percussion), ヴァル・ダグラス(Bass Guitar),“ファミリーマン”バレット(Bass Guitar), ポール・ダグラス(Drums), スパロー・マーティン(Drums),
ジョー・ヒグス(Percussion), イサイア“スティッキー”トンプソン(Percussion)

【Original Credit】
Produced and arranged by Eric Gale
Recorded at Harry J. Studio, Kingstone, Jamaica
Recording engineer : Sylvan Morris
Mixed at Federal Recording Co.
Mixing engineer : Buddy Davidson
Art & Cover design : Trevor Campbell

【Credit】
Reissue Produced by Masahiro Tomitani
Remastered by Kazuhiro Yamagata (CD design Masterring)
Re-package Designed by Nobuya Okamura

Under the licensed from Masako Gale Music
(C)2003 Masako Gale Music
(P)2003 Roving Spirits Co.,Ltd.
http://www.rovingspirits.co.jp

「ネグリル」CD化プロダクション・ノート − 冨谷正博

この話のきっかけは、キングレコードのエレクトリックバード・レーベルの再発をやったシリーズ“Super Fusion Master”が佳境にはいった昨年(2002年)夏過ぎのことだった。「アドリブ」編集長の松下さんから聴いてみて欲しいと渡されたMDだった。エリック・ゲイルのアルバムについては知識があったはずなのに、手渡された「ネグリル」というタイトルは初めてだった。聴いてみるとフュージョンとは言い難いコンセプトで演奏しており、なんと“アイ・ショット・ザ・シェリフ”まで収録されていた。しかし音は間違いなくエリック・ゲイルのギターだしリチャード・ティーらしきフレーズのピアノが聞き取れた。だがフュージョンとはいわず、いろんなジャンルのCDが売りにくい今のマーケットに乗せる自信が無かった。そうしてこれは断るしかないなと思っていた。
10月タワーレコードだけで先行再発をすることにしていたリチャード・ティー「ボトム・ライン」の話をしに渋谷店の松沢さんと会った時、これを捜して再発できないかと一冊の本を見せられ、そこに紹介されていたのが「ネグリル」だった。フュージョン・ファンだけではなくレゲエ・ファンまで探している、幻に近いアルバムだということを聞かされたのだった。私だけのカンに頼るマーケティング発売を見合わせていた作品が、ファンの思いを肌で受け止めている現場から聞こえてきたのだ。
 さっそく松下さんに連絡を取りエリック・ゲイル未亡人の政子さんと会い、契約の話をした。その時に、マスター・テープがすでに無く、知らないうちにフランスでCD化されていることを聞いた。エリック・ゲイルおよび政子さんの承知しているものは、録音当時ジャマイカでプレスされたわずかな枚数のLPだけだと言う。そして、手元にLPはないが自分としては良いかたちで正式にCD化してもらいたい旨を伝えられた。
 それからは本物探しが始まった。タワーレコード渋谷店で見せられた本にこれを紹介していた信田さんと連絡を取り、貴重な資料のCD(フランス盤)をお借りした。タワーレコード新宿店の馬場さんからは、ネット上でジャケット違いがあるとの情報もあった。最終的にはタワーレコード渋谷店のレゲエに詳しい瀬戸口さんが持っていたジャマイカ盤LPが本物だろうと推測し、それをお借りして盤起こしをすることに決めた。
 ファンが熱望している「ネグリル」を理想的なCDにするには、音楽が理想的に表現されていなければ意味が無い。録音はジャマイカ、参加メンバーもピーター・トッシュなどレゲエ・シーンの精鋭。これは当たり前のフュージョン・サウンドではないはずだ。ファンはそこにこそ音楽的価値を見出しているはずだ。この信念のもと、信用できるマスタリング・エンジニア山形さんに相談した。彼はCDデザイン・マスタリングのエンジニアだが、盤起こしにはコロムビアのスタジオでまずノイズ・カットをやりたいと言う。そこでまず軽いスクラッチなどを取り除いた後、DATテープを六本木のCDデザインに持ち帰り大きな傷を消していった。かなり気を使う作業だったと思うが、経験豊かな彼の仕事は私の信念を理解してくれた上で、素晴らしい音楽を再現してくれている。この時に判った事だが、片面がモノラル、片面がステレオだった。だからフランス盤CDではAB面が混ざった曲順で、不自然な擬似ステレオだったのだ。私たちはこのモノラル、ステレオ問題を音楽的、商品的ハイレベルなものにしなければならないという見地から全面モノラルにしようと決めた。このようにしてお手元の「ネグリル」のマスタリングが完了した。
 政子さんはイラストのオリジナル・ジャケットを変えたいとの希望だったが、ファンの希望と歴史的意味を考え、ここは私の意見で瀬戸口さんから借りたLPジャケットをスキャンしたオリジナルを復刻させて頂いた。そしてLPのクレジットで間違えて表記されている部分も修正した。
 このCD化に協力して頂いた多くの方々に感謝いたします。そして私を一番駆り立てたのは、この作品を待ち続けていたであろうファンの方々の熱い想いでした。

Back to TOP